晴天の霹靂からしばらくはただただ虚しさがこみ上げ現実を受け入れられずにいましたが、泣いてるばかりじゃどうにもなりません。
無い知恵はしぼれないし、
この先私はどうなるの?
こんな目にあう人は他にもいるの?
右も左も分からなかったけど、とにかく相談できそうなところへ相談することにしました。
問題を整理しながらの相談となりました。後になってまとめると、問題は大きく分けて2つでした。
Contents
育休切りにあって抱えた2つの問題
私の解決したかった問題は
- 実際の今後のことについて:息子の保育園は既に決まっているので、まずこの先の自分の仕事をどうするのか。辞めて、3歳まで家でみるのか、それとも再就職するのか。
- 気持ちの問題:あっさり解雇されっぱなしでいいのか?自分の気持ちの整理や、会社に戻りたいのか戻りたく無いのか、どうケリをつけるのか。
大きく分けてこの2つでした。
突然の、解雇にどうしていいのか頭の中は真っ白、その日はボロボロで動けませんでしたが、母は強し!泣いていても寝ていてもどうにもならない、と翌日からネットで調べては電話して相談するを繰り返しました。
相談した場所
労働基準監督署
真っ先に思いついたのは労基署でした。電話で匿名で相談してみました。
相談した結果
基本的には下記の法律にあるとおり、「解雇してはならない」という点について相談をする場所だったため、解雇を不当とするにはどうしたらいいのかについてアドバイスをくれたり、どういう点が違法なのかを教えてくれました。労基署から会社に連絡をしてくれることも可能なようですが、その場合復帰を前提としていました。
労働基準監督署とは
「労基法の違反」について取り締まる場所。私の場合は労基法の、休業する期間及びその後30日間は解雇してはならないに該当しました。産休明けすぐの解雇だったためです。
第19条
- 使用者は、労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業する期間及びその後30日間並びに産前産後の女性が第65条の規定によつて休業する期間及びその後30日間は、解雇してはならない。ただし、使用者が、第81条の規定によつて打切補償を支払う場合又は天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合においては、この限りでない。
- 第65条
- 使用者は、6週間(多胎妊娠の場合にあつては、14週間)以内に出産する予定の女性が休業を請求した場合においては、その者を就業させてはならない。
- 使用者は、産後8週間を経過しない女性を就業させてはならない。ただし、産後6週間を経過した女性が請求した場合において、その者について医師が支障がないと認めた業務に就かせることは、差し支えない。
- 使用者は、妊娠中の女性が請求した場合においては、他の軽易な業務に転換させなければならない。
労働局雇用均等室
労基署に電話したときに、労働局に相談してみるのもいいかもしれない、と紹介してもらい、電話してみました。
労働局雇用均等室と一口に言っても、今回該当するであろう法律は3つあり、その3つの法律(男女雇用機会均等法、育児・介護休業法、パートタイム労働法)のうち2つに該当しました。縦割り行政のいいところでもあり、煩雑なところでもあるのですが、相談窓口は2つ。とにかく2つの窓口に相談してみました。
相談した結果
男女雇用機会均等法と育児介護休業の
「妊娠又は出産に関する事由であって厚生労働省令で定めるものを理由として、当該女性労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。」と「妊娠中の女性労働者及び出産後1年を経過しない女性労働者に対してなされた解雇は、無効」
という点、で該当していました。基本的には、
「解雇を無効にしたい」
という意思がある場合は職場と掛け合ってくれるというもの。
「紛争解決援助」なので会社社と自分の双方から話を聞き解決を目指す、もしくは調停を申し立てる戸言うことになります。費用は無料。ただ、その時に言われたのが、
「いくら会社に労働局からヒアリングのための連絡をしても無視され続けてしまうと打ち切りになることもありうる」ということ。
要は、強制力がそこまでないようです。
また、介護育児休業法は、育休申請したことや育休を取得したことにより解雇してはならないという法律のため、解雇理由が何なのかによって窓口が変わり、会社へ主張する点についても変わりました。
労働局が扱う法律とは
男女雇用機会均等法
1条 この法律は、法の下の平等を保障する日本国憲法の理念にのつとり雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保を図るとともに、女性労働者の就業に関して妊娠中及び出産後の健康の確保を図る等の措置を推進することを目的とする。第2条 この法律においては、労働者が性別により差別されることなく、また、女性労働者にあつては母性を尊重されつつ、充実した職業生活を営むことができるようにすることをその基本的理念とする。2 事業主並びに国及び地方公共団体は、前項に規定する基本的理念に従つて、労働者の職業生活の充実が図られるように努めなければならない。〜中略〜
(婚姻、妊娠、出産等を理由とする不利益取扱いの禁止等)第9条 事業主は、女性労働者が婚姻し、妊娠し、又は出産したことを退職理由として予定する定めをしてはならない。2 事業主は、女性労働者が婚姻したことを理由として、解雇してはならない。3 事業主は、その雇用する女性労働者が妊娠したこと、出産したこと、労働基準法(昭和22年法律第49号)第65条第1項の規定による休業を請求し、又は同項若しくは同条第2項の規定による休業をし たことその他の妊娠又は出産に関する事由であって厚生労働省令で定めるものを理由として、当該女性労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。【則】第2条の24 妊娠中の女性労働者及び出産後1年を経過しない女性労働者に対してなされた解雇は、無効とする。ただし、事業主が当該解雇が前項に規定する事由を理由とする解雇でないことを証明したときは、この限りでない。育児・介護休業法
第10条 事業主は、労働者が育児休業申出をし、又は育児休業をしたことを理由として、当該労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをし てはならない。
連合
連合にも電話で匿名で相談しました。こちらは裁判するかどうか、会社を訴えるのかどうか、それによって相談が変わってくるようでした。そこまで覚悟ができてからじゃないと話にならないようでした。
ハローワーク、マザーズハローワーク
いろいろ悩んで、相談できるところにかたっぱしから話を聞きたいと思って、相談に行きましたが、ハローワークなので、基本的には仕事を紹介してくれるところ。なので、2つの問題に対するヒントは得られませんでしたが、わかったことがありました。
4ヶ月の子供をもち、配偶者もいる女性が働ける仕事はほとんどないということ。
これまでのキャリアの考慮もあまりなく、賃金も雲泥の差。いくら理解のある職場でも、0歳児は保育時間に制限があることが大きなハードルであるということ。
相談しなかった機関
区市町村の窓口には私は相談しませんでした。なぜかというと、やはり待機児童問題があるから。
相談して、「仕事ないなら保育園退園です!」と言われるのが怖かったのです。
入園直後の慣らし保育中での出来事。誤解されたら入園がキャンセルにされかねない恐怖がありました。
また、保育園に相談したときには、一度退園になったら同じ園に入るのは極めて難しいし、ましてや待機児童沢山いるこのご時世、最後に回されることもあり得るから、とにかく早くお仕事見つけてはどうでしょうか?と教えてもらいました。
規約をかなり細かく読みましたが、この期間での転職や解雇になった場合のことについては書かれておらず、
通常時であれば2ヶ月以内に就職先を決定し、3ヶ月以内に就業開始すればいい
とあったので、それに則ってとにかく仕事につくことに腹を括りました。
いろんなところに相談してわかったこと
とにかく違法だけど会社にとってはたいしたことはない
どこに相談しても、出産後復帰の意思があるにもかかわらず妊娠出産育児を理由に解雇することは違法だということはわかりました。
だけど、実際企業を罰することは極めて難しく、企業に対する罰則や強制力がない。裁判をする場合こちら側の体力も労力もかかる。
労働基準法による企業に対する罰則はわずか
6ヵ月以下の懲役または30万円以下の罰金
引用:労働基準法の罰則
のみ。企業にとっては30万円なんて、たいした罰則にもなりません。また、その罰則が課せられたと聞いたことがない、と相談電話の方からも聞きました。
こういう目に遭っている人はたくさんいるということ
ある場所へ相談の電話をした際に、男性の職員の人に最初にきかれた質問が
『旦那さんやパートナーはいますか?シングルマザーですか?』
この質問はマザーズハローワークでも最初に聞かれました。
結婚していることを伝えると続けて
『旦那さんは働いていますか?』
「はい、働いています」
『旦那さんのお給料だけでもやっていけなくは無いですか?』
「まぁ、ひとまずは不可能では無いかもしれません」
『ならば大丈夫ですね!』
なんだかこのやり取りにがっかりしつつも、自分のように妊娠や出産でクビになる人はいるのかを聞くと、よくある話ではあるらしく、それがシングルマザーで頼れる人もいない場合は行政としても放っておくわけにいかない緊急性の高い事案なんだということ。
そして、こういった相談は日常茶飯事だということ。解雇されて諦めて納得している人も多いとのこと。
だからこその慣れた対応だったのだとわかりました。だちこなんてまだマシですよ、という相談先の無言のプレッシャー・・・でも私にとってはとんでもなくどうにもならないことなのです。
問題を解決するために決断しなくてはいけなかったこと
仕事の悩み=保育園に預けるか退園か
仕事を続けるのか続けないのか=保育園から退園させるのかさせないのか
これをまず決めなきゃ何も進みません。
私は「仕事はする」という決断をまずしました。
すると、次は何の仕事をするのか・・・なのですが、先にも書いた通り、
4ヶ月の子供をもち、配偶者もいる女性が働ける仕事はほとんどないということ。
そのためとにかくプチでもなんでも可能な範囲の時間内で起業することにしたのです。10ヶ月を越えれば預けられる時間もまた増えます。でも、その10ヶ月になるまでの間に退園になってしまったら元も子もないのです。
だから、つなぎでもなんでもいい、とにかく仕事に就くこと。
雇われるのが難しいなら自分で仕事を作ればいい!とにかく少しでも社会のためになってお金を稼ぐしかないのです。
会社に戻りたいのかもどりたくないのか、訴えるのか訴えないのか 気持ちの問題
もう会社に戻るつもりはありませんでした。
理由は
- 紛争解決など行政に頼りながら戻ったところでまた同じような理由で解雇されるリスクがあり、なんらかの別の理由をつけて解雇する可能性も拭えない。
- そもそも信用できなくなった
- 会社に復帰し戻るために費やさなくてはいけないパワーが産後すぐの自分にはハードすぎた
- もし会社に交渉するにも、戻るという、結論が出るまでに時間がかかると容易に想像できる。万が一うまくいかなかった時保育園の職探しの猶予期間が残り少なくなったり、期間内にどうにかなる保証がない。
だから、労働局や労基署にお世話になって仲介してもらい会社と交渉するら、という選択肢も必然的に消えました。
また、ある相談窓口で
『ぶっちゃけどう解決したらいいのでしょうか』と聞いた時、
そういった行政を通じて会社に訴えかけた場合、
もし会社が無視し続けても会社にとってなんの不利益もなく、打ち切りとならざるをえなくなった場合、パワーを費やすだけで何も得るものは無く、個人で交渉することすら難しくなってしまう可能性は高い
また、そもそも違法とわかりながら解雇している会社だからこそ行政からの通告も無視する可能性も高い、
一方的な解雇なので、大変かもしれないけれどまずは個人で会社に納得いく解決を要求してみてはどうか、
その後それもうまくいかなかった時、話し合えない時に行政の介入は最終手段にしてはどうか?
とアドバイスくださいました。
この虚しく悔しい気持ち、やるせない気持ちをどう解決したらいいのか、正直わかりません。
戻らない会社に、じゃあそのまま
「はいはいわかりました、じゃぁさようならー」
と、あっさり言いなりになっていいのか!?という腑に落ちない気持ち。
でも結局のところ、お金での解決というところに至りました。
自分が雇われて働ける可能性が高まる子供の10ヶ月を超えるまでの期間の給与の保障を求めることにしました。
本音で言えば、その後の生涯年収の考慮や、このことに対する慰謝料だって求めたいくらいです。
でも、正直私にとって最悪な相手からもらうお金。
だから、最低限で、でも自分でもある程度納得出来る理由か付けれるところを考え尽くしました。
その後、会社からも交渉があり、子供が6ヶ月を超えるまでの期間、出勤はなしで数ヶ月在籍、給与は発生、ということに決着しました。当初の10ヶ月よりは短くなりましたが、在籍できるということは、それだけ職探しの猶予もできることになります。また、正直もうこのことに
早く決着をつけて次へ進むことにパワーを向けることに重きをおくことにし、これ以上やり取りすることをやめました。
違法とわかって平気で解雇した会社
解雇されたときのことを書いたこちらのブログにある2度目の面談のときのこと。まさに、解雇を言い渡された時のこと。
私は解雇を言い渡してきた社長に対し、うる覚えながらも記憶していた法律のことを
「記憶が曖昧だけれども、日本では確かこういう産後復帰する直前の解雇や、いきなりの解雇は違法だと思うんだけれど、ご存知ですか?」
と聞いてみた。すると社長は一言
「YES!」
と言ったのだ。
私の前職の会社は違法とわかってて、解雇しました。内部の派閥や、社長の方針転換、きっといろんな事情があったにせよ、子どもを理由に仕事を奪われるということはやるせません。
ちなみに、人材系派遣や紹介予定派遣を扱うの何カ国かに拠点のある会社で、そこまで小さな会社でもありません。
人材系という、まさに人事にかかわる会社ですらこんなことを平気でやるのです。今は会社が倒産してしまえばいい!とさえ思います。
いろんなところに相談してとにかく前に進んではいたものの、
その後しばらくの間は夜眠れなかったり、
眠っても何度も何度も自分がクビになる夢を見たり、
何もしていないのに涙が溢れてきたり、食べても吐いたり
自分でもこれはまずいと感じる状況がありました。
この時ばかりは家族がいなかったらどうなっていたことかと思いますが、時間が経って気づくと立ち直っていた気がします。
ただ、落ち込んでいても、怒り続けても何も起きないので、見返してやることにしました。
一番の見返しは、
私が仕事をしながら子育てをして幸せいっぱいでいること!
だと思っています。
そして万が一、
あんな会社のあんな社長にこの先どこかで会うときが来たら、
「なんで解雇してしまったんだ!」
と、頭を抱えて、臍を噛むほど後悔させたい(笑)
私が楽しく働き、できることなら有名になり(!?笑)、子育ても楽しむワーキングマザーとして暮らしていること。
人生どうにかなるものです。